古いものを扱うことを仕事にするようになってから意識するようになったことがあります。それは物を持つ手の動きです。もともとは私は動きが雑なほうです。そのため大切なものを割ったりキズをつけてしまったりして何度か悲しい思いをしています。それが古いものだと取り替えがきかかないので立ち直れないほど悲しいです。

生まれつき丁寧な動きのできる人にとっては当たり前のことなのかもしれませんが例えばテーブルの上に物を置く時。 手首にそれなりに力を入れて、そしてテーブルまでの距離を意識しながら集中力を持ってそっと降ろします。そうすればことん。。。というかすかな音だけで物をおくことができるということがわかってきました。

日本人はどちらかといえば動きが静かで丁寧なほうだと思います。
海外で会うディーラーさんばテーブルの上にバサっと物をぶちまけて見せてくれる人もいます。その大胆な動きにびっくりしたりします。

でもその反対に繊細な手つきでそおおっとこわれもののように一つひとつの物を扱う人もいます。それがごつい指だったりすると微笑ましくもあります。気が付くと長いおつきあいをしているのは丁寧にものを扱うディーラーさんのほうです。丁寧にものを扱う人のことは信用できるような気がします。

お店に来て下さる方も古いもの好きな方ばかりなのでびっくりするほど丁寧に物を手に取ってくださいます。
静かにものを扱うひとの手つきを見ているとそれだけで幸せな気持ちになります。

2008.01.16
clozzet
ヒダケイコ

物をしずかに置く手
volume 31